2025年3月14日にリリースされた、Whatever The Weather(Loraine Jamesによる別名義)のセカンド・アルバム『Whatever The Weather II』。
前作『Whatever The Weather』がとにかく最高で、何度も何度も繰り返し聴いていた私としては、このリリースをずっと心待ちにしていました。
リリース形態はデジタル配信とレコード。
日本限定でCD化されていて、しかも1曲ボーナストラック付き。
本当にCDという物が出なくなりましたね。。。
Loraine Jamesというアーティストの懐の深さ
本作もまた、ロンドンを拠点に活動するLoraine Jamesの音楽的幅広さを感じる1枚でした。Hyperdubからの作品ではIDM寄りの複雑なビートとヴォーカルのコラボが印象的でしたが、このWhatever The Weather名義になると、より印象主義的というか、パーソナルで内省的な雰囲気が強くなるんですよね。
『Whatever The Weather II』では、環境音やフィールドレコーディング、粒状のサウンド、ミニマルなキックが不思議な浮遊感を生み出していて、まさに「音のコラージュ」的な魅力に満ちてます。
温度がテーマ?でも聴いてみると…
タイトルや各曲に“〇°C”といった温度の名前が付けられていて、前作の時もそうでしたが、「感情の温度」によって制作されたというコンセプトがあるようです。
ただ、Loraine自身が言っているように、その温度が実際の気温と一致しているわけじゃないところが面白い。今回のアルバムは「前作よりも温かい」と表現されていて、ジャケットの砂漠の風景や、アコースティックな要素がその印象を補強しています。
冒頭の「1°C」からもう、夏が恋しい肌寒さみたいな感覚が漂っていて、それが「3°C」や「20°C」へと移るにつれて、少しずつ音の質感も変わっていく感じがします。
個人的ハイライトと聴きどころ
私が特に好きなのは「8°C」と「15°C」。
「8°C」は、ほんのり寂しげで、キーボードのラインがぽつりぽつりと語りかけてくるような一曲。最小限の構成で、逆に想像力が広がるタイプの曲です。
「15°C」はまさにLoraine節炸裂で、ちょっと不穏なパッドからスタートして、だんだんと機械仕掛けのような周期的なノイズが重なってくる展開がクセになります。
最後の「12°C」も、彼女のピッチシフトされた声とアコースティックギターが混ざり合って、なんとも言えない余韻を残してくれました。
CDだけのボーナストラックも気になる
ちなみに、日本独自のCDリリースにだけ収録されているボーナストラックもあるそうで…これ、めちゃくちゃ気になっています。
今現在サブスクで聴いているのですが、全体があまりに良すぎて「これはCDも手に入れておきたいな…」と思ってるところ。
ボーナストラックがどんな空気感なのか、じっくり味わってみたくなるんですよね。
Whatever The Weather 『Whatever The Weather II』
『Whatever The Weather II』は、即興的でありながらも計算され尽くしたような不思議な構成力が光る一枚でした。
「IDMっぽいのはちょっと難しそう…」と思っている方でも、このアルバムはかなり“感覚的”に楽しめると思います。何かをしながらでも、夜にぼんやりと聴くのにもおすすめ。
デジタルでも、レコードでも、そしてCDでも。お好みのフォーマットで、ぜひ。